
【慶應SFC AO入試】2025年度夏秋AO募集要項から読み解く合格戦略
こんにちは!KOSSUN教育ラボ教務担当です。「総合型選抜(AO入試)の元祖にして最難関」 そう言われるのが、慶應義塾大学湘南藤沢キャンパス(SFC)のAO入試です。
「帰国子女や、すごい実績がある人しか受からないんでしょ?」 「自分にはアピールできるような特別な経験なんてない…」
SFCのAO入試と聞いて、こんな風に尻込みしてしまう受験生は少なくありません。しかし、それは大きな誤解です。SFCのAO入試は、単なる経歴のコンテストではありません。募集要項にはっきりと書かれている通り、
書類選考と面接によって多面的、総合的に評価し入学者を選考するものです 。
この記事では、2025年度夏秋AOの募集要項を徹底的に分析し、SFCが本当に見ているもの、そして合格を掴むための本質的な戦略を解説します。
SFCのAO入試の核心:すべては「問題発見・解決」から始まる
SFCのAO入試を理解する上で、絶対に外せないキーワードが「問題発見・解決」です 。
SFCが評価したいのは、「あなたがこれまで何をしてきたか」という過去の実績リストではありません。それ以上に、
「あなたがこの世界にどんな『問題』を見つけ、SFCという場所を使って、それをどう『解決』したいのか」という未来への強烈な意志と、そのための具体的な計画です。
ここで言う「問題」とは、世界的な貧困や環境問題といった壮大なテーマだけである必要はありません。あなた自身の原体験から生まれた身近な疑問こそが、SFCが求める「問題発見」の出発点なのです 。大切なのは、その問題に対するあなたの
当事者意識と尽きることのない情熱です。
あなたはどっち?総合政策学部と環境情報学部の違い
SFCには2つの学部がありますが、その違いは「何を学ぶか」よりも「どうやって問題を解決するか」というアプローチの違いにあります 。
- 総合政策学部 (Faculty of Policy Management) 法律、政治、経営、ガバナンスといった**社会の仕組み(システム)**をデザインしたり、変えたりすることで問題解決を目指します 。
- 環境情報学部 (Faculty of Environment and Information Studies) 最新のテクノロジー、デザイン、アートといった実践的な「道具(ツール)」を創り出したり、活用したりすることで問題解決を目指します 。
自分の解決したい「問題」に対して、どちらのアプローチがより有効かを考えることが、学部選択の鍵となります。
SFCのAO入試を構成する出願書類:あなたの「物語」を伝える設計図
SFCのAO入試は、複数のオンライン提出書類で構成されます。これらはバラバラの書類ではなく、あなたの「問題発見・解決」の物語を伝える、一つの作品として作成する必要があります。
- 志望理由書(2000字以内) あなたの物語の核となる部分です 。なぜその問題に関心を持ったのか(原体験)、なぜSFCでなければならないのか(学習計画)、そして卒業後どう社会に貢献したいか(未来のビジョン)を一貫した論理で記述します。
- 自由記述(A4サイズ2枚以内) 文章だけでは伝えきれないあなたの構想や情熱を、図やイラスト、写真などを用いて視覚的に表現するスペースです 。あなたの創造性が試される、腕の見せ所です。
- 活動報告 中学校卒業以降のあらゆる活動を記録します 。重要なのは、ただ羅列するのではなく、自分の物語を最もよく表す活動に「◎」を付け、その理由を簡潔に説明することです 。
- 任意提出資料(最大10点) 「任意」とありますが、本気で合格を目指すなら事実上の必須項目です。作成した論文、作品、WebサイトのURL、受賞歴の証明書など、あなたの主張を裏付ける客観的な「証拠」を提出するポートフォリオです 。
- 志願者評価(2名から) あなたを客観的に知る2名の方(親族は除く)にオンラインで評価を依頼します 。これは伝統的な推薦書とは異なり、あなたの能力や人間性を多角的に評価してもらうためのものです。
2段階選考を勝ち抜くためのポイント
SFCのAO入試は、2段階の選考で合否が決まります。
- 第1次選考:書類審査 提出されたすべての書類を基に、あなたの「物語」の魅力と説得力、そしてSFCで学ぶポテンシャルが総合的に審査されます 。ここを突破しなければ、面接に進むことはできません。
- 第2次選考:面接(約30分) SFCの教授陣との、学術的な「対話」の場です 。出願書類に書かれた内容について、あらゆる角度から鋭い質問が投げかけられます。「なぜ?」「どうして?」「それで、本当に解決できるの?」という問いに対し、ひるむことなく、自分の言葉で論理的に応答する力が求められます。
合格戦略3箇条
この最難関入試を突破するために、絶対に外せない戦略的ポイントを3つお伝えします。
「見せる化」を意識する あなたの情熱や活動は、言葉だけでは伝わりません。研究内容をまとめたレポート、活動の様子を記録したウェブサイトや動画、作成したプロトタイプなど、自分の思考や行動を**目に見える形(=ポートフォリオ)**にすることが、他の受験生と差をつける決定的な一手となります。
「すごい実績」からではなく、「切実な問題意識」から始める まずは、自分の心が本当に動かされる、解決したい「問題」は何かを見つけることから始めてください。その問題意識が本物であれば、今からでも資料調査や小さなアクションを起こすことで、あなただけの「実績」を作ることが可能です。
SFCの「徹底的な研究者」になる 「SFCで学びたい」というだけでは不十分です。なぜその研究がしたいのか、なぜその教授でなければならないのか、なぜ他の大学ではダメなのか。SFCのウェブサイトを隅々まで読み込み、教授の論文や著書にも目を通し、誰よりもSFCに詳しい「研究者」になることが、説得力のある志望理由書作成の第一歩です。
KOSSUN教育ラボからのメッセージ
慶應SFCのAO入試は、間違いなくタフな挑戦です。しかし、それは同時に、高校生のうちから自分の未来と本気で向き合い、社会に対する当事者意識を持つことを求める、最高の成長の機会でもあります。
もし、「自分の『問題意識』が何なのか分からない」「どうすれば、自分の想いを合格レベルの書類や面接に昇華できるのか」と悩んだら、ぜひ一度私たちKOSSUN教育ラボにご相談ください。 私たちは、あなたの中に眠る「問題意識」という原石を発見し、それを合格という輝きに変えるためのプロフェッショナルです。
あなたの挑戦を、心から応援しています。
KOSSUN教育ラボでは、総合型選抜・学校推薦型選抜(AO入試・推薦入試)に特化した対策を行っています。
受験でお困りの方は、お気軽に無料個別相談会にお申し込みください。
※この記事は専門家による監修のもと執筆されています。

この記事を監修した人
川又 ヒトミ(かわまた・ひとみ)
東京大学、慶應義塾大学のダブル合格者を輩出!
実力と人間性を兼備した指名の絶えない人気講師。
【略歴】学士(文学)お茶の水女子大学
群馬県出身。大学卒業後、私立高校に入職。その間、進路指導部長を務め、大学入試改革や新学習指導要領、ギガスクール構想など高校の教育現場に押し寄せる変化にいち早く対応。
東京大学、慶應義塾大学SFCのダブル合格者を輩出するなど、最新情報を駆使した戦略的な指導に定評がある。塾生はもちろん、講師からも一目置かれ、「合格請負人」の異名を取るほどの人気講師となっている。
趣味特技は、散歩、読書。