【総合型選抜】その小論文、幼稚だと思われてない?専門塾が教える合格答案の「語彙力」

こんにちは!KOSSUN教育ラボ教務担当です。

「言いたいことはあるのに、うまく言葉にできない…」

「『すごい』とか『大切だと思う』とか、小学生みたいな言葉ばかり使ってしまう…」

総合型選抜(AO入試)の小論文対策で、多くの受験生がぶつかる壁。それが「語彙力(ごいりょく)」です。

どれほど素晴らしい主張も、それを表現する「言葉」が稚拙(ちせつ)であれば、あなたの思考の深さは採点者(大学の教授)に伝わりません。

この記事では、「感想文」を卒業し、あなたの答案を「知的な論文」へと格上げする「語彙力」について、その重要性と具体的な鍛え方を徹底的に解説します。


なぜ小論文で「語彙力」が問われるのか?

小論文における「語彙力」とは、難しい四字熟語をたくさん知っていることではありません。

それは、「自分の考えを、正確に、かつ論理的に表現できる言葉のレパートリー」を持っているかということです。

大学の教授は、あなたの文章の「言葉選び」から、以下の3点を見ています。

  1. 思考の「解像度」:「ヤバい」という言葉で全ての感情を表現するのではなく、「深刻な」「重大な」「憂慮すべき」と使い分けられるか。言葉の解像度は、そのまま思考の解像度として評価されます。
  2. 論理性:「だから」「でも」だけでなく、「したがって」「しかしながら」「すなわち」といった接続詞を正しく使い、文章の論理関係を明確に示せるか。
  3. 知性(大学への適性):「話し言葉」ではなく、学術的な議論にふさわしい「書き言葉」を使えるか。大学での知的な探究活動についてこられる学生かを判断されています。

今すぐやめよう!減点対象になる「NG語彙」

まず、あなたの答案から「感想文」の色を消すために、以下の言葉を封印しましょう。

  • NG①:「〜と思う」(感想)
    • → OK:「〜と考える」「〜と考察する」「〜と主張する」「〜であろう」
    • 「思う」は主観的な感想です。小論文はあなたの「考え」「主張」を述べる場です。「考える」と断言しましょう。
  • NG②:「すごい」「とても」(程度が曖昧)
    • → OK:「非常に」「著しく」「甚だしく」「格段に」
    • 「すごい問題だ」ではなく、「非常に深刻な問題だ」と書くだけで、知的な印象に変わります。
  • NG③:「〜みたいな」「〜みたいなこと」(話し言葉)
    • → OK:「〜のような」「〜といった事柄」「〜という現象」
    • 「AIみたいな技術」ではなく、「AIのような先進技術」と書きましょう。
  • NG④:「ちゃんと」「しっかり」(話し言葉)
    • → OK:「適切に」「確実に」「明確に」
    • 「ちゃんと対策する」ではなく、「実効性のある対策を講じる」と表現します。
  • NG⑤:「いろいろな」(曖昧)
    • → OK:「多様な」「さまざまな」「多角的な」
    • 「いろいろな意見」ではなく、「多様な価値観」と書きましょう。

合格答案を作る「語彙力」の鍛え方 3ステップ

では、どうすれば「小論文で使える語彙」が増えるのでしょうか。明日からできる3つのトレーニングを紹介します。

STEP 1:インプット(新聞の社説・新書を読む)

小論文で求められる「書き言葉」の宝庫は、新聞の「社説」や、専門家が一般向けに書いた「新書(しんしょ)」です。

ただ読むのではなく、「この筆者は、『重要だ』ということを、どういう言葉で表現しているだろう?」

(例:「〜は必要不可欠である」「〜が急務だ」「〜は重要な示唆(しさ)を与える」)と、「表現を盗む」意識で読みましょう。

STEP 2:「言い換えノート」を作る

これが最も効果的な方法です。ノートを見開きで使い、左ページに「NG語彙(話し言葉)」、右ページに「OK語彙(書き言葉)」を書き出していきます。

この「自分だけの辞書」が、あなたの財産になります。

STEP 3:アウトプット(実際に使ってみる)

覚えた言葉は、使わなければ忘れます。

日頃から、学校の探究活動のレポートや、小論文の練習で、「今週覚えたOK語彙を3つ使ってみよう」というルールを決めて書いてみましょう。

KOSSUN教育ラボからのメッセージ

小論文における語彙力は、難しい言葉をひけらかすための「知識」ではありません。あなたの深い思考を、採点者に正確に届けるための「武器」です。

あなたの「なんとなく大切だと思う」という熱い想いを、「〜は、持続可能な社会を実現するために不可欠な要素であると考える」というシャープな「論」に変える。それが、合格答案に必要な語彙力です。

今日から「言い換えノート」を作り、あなたの思考を磨き上げていきましょう。

KOSSUN教育ラボでは、総合型選抜・学校推薦型選抜(AO入試・推薦入試)に特化した対策を行っています。

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※この記事は専門家による監修のもと執筆されています。