獣医学部 志望理由書の書き方:例文と重要ポイント

こんにちは!KOSSUN教育ラボ教務担当です。

今回は、多様な可能性を秘めた入試制度である「総合型選抜」の中でも、動物の健康と福祉、そして人獣共通感染症対策や食の安全など、幅広い分野で貢献できる獣医師を目指す「獣医学部」の志望理由書に焦点を当て、その概要から具体的な例文、そして合格を掴むための重要なポイントまで、じっくりと解説していきます。

「総合型選抜って、なんだか難しそう…」「獣医学部の志望理由書って、どんなことを書けばいいの?」そんな疑問や不安を抱えている方も、この記事を読めばきっと道が開けるはずです。

私たちと一緒に、あなたの動物への愛情と獣医学への情熱を最大限に引き出す志望理由書を作成し、夢の獣医学部合格を掴み取りましょう!

改めて知る総合型選抜:一般選抜との違い、そして獣医学部が求める人物像とは?

まず、総合型選抜とはどのような入試制度なのでしょうか?一般選抜との違いを明確にし、その上で獣医学部がどのような学生を求めているのかを理解することが、志望理由書作成の第一歩となります。

総合型選抜(旧AO入試)とは?

総合型選抜は、従来の学力試験の成績だけでなく、志願者の個性、意欲、適性、経験などを総合的に評価する入試制度です。

大学が求める学生像(アドミッション・ポリシー)と照らし合わせながら、書類審査、面接、小論文、プレゼンテーション、実技など、多様な評価方法を用いて合否が判定されます。

一般選抜との違い

一般選抜が主に学力試験の結果を重視するのに対し、総合型選抜は、皆さんがこれまで培ってきた学びへの姿勢、動物との関わり、将来の目標など、多角的な側面から評価される点が大きな違いです。「得意なこと」「興味のあること」「将来やりたいこと」を大学に積極的にアピールできるチャンスと言えるでしょう。

獣医学部が求める人物像

それでは、獣医学部はどのような学生を求めているのでしょうか?多くの獣医学部が共通して重視する要素として、以下のような点が挙げられます。

  • 動物への深い愛情と倫理観:あらゆる動物の命を尊重し、その福祉と健康を守りたいという強い気持ちと倫理観を持っていること。
  • 科学的な探究心と論理的思考力:動物の体や病気の仕組み、治療法などを科学的に探求し、客観的なデータに基づいて考察する能力があること。
  • 高いコミュニケーション能力と共感性:動物の飼い主や生産者、研究者、獣医療チームのメンバーと円滑にコミュニケーションを取り、信頼関係を築くことができること。
  • 問題解決能力と応用力:動物の病気や健康問題、畜産現場の課題、人獣共通感染症の対策など、様々な問題に対して科学的な知識を応用し、解決策を見出すことができること。
  • 注意深さと観察力:動物の些細な変化にも気づき、病気の早期発見や適切なケアに繋げることができる注意深さと観察力を持っていること。
  • 責任感と使命感:動物の命を預かる責任の重さを理解し、獣医師としての使命感を強く持っていること。
  • 社会貢献への意欲:獣医療を通して動物の健康を守るだけでなく、食の安全確保や人獣共通感染症対策など、広く社会に貢献したいという意欲があること。

これらの要素を踏まえ、皆さんのこれまでの経験や学びと結びつけながら、志望理由書で自己PRしていくことが重要になります。

獣医学部 志望理由書の構成要素と作成のポイント

次に、実際に獣医学部の志望理由書を作成する上で、どのような要素を盛り込み、どのような点に注意すべきかを見ていきましょう。

一般的な志望理由書の構成要素と、獣医学部特有の視点を交えながら解説します。

志望理由書の基本的な構成

KOSSUN教育ラボでは、合格する志望理由書の「黄金律」を導き出しました。

下記の基本構成を参考にあなたの動物への愛情と獣医学への情熱が伝わる、論理的で魅力的な志望理由書を作成しましょう。

【志望理由書の基本的な構成例】

  1. 志の宣言
    • 最初に、「〇〇という動物に関する課題に対し、獣医学の知識と技術を通して解決したいという強い思いを持ち、貴学獣医学部(または〇〇学科)を強く志望いたします」のように、あなたの最も核となる動物への関心と獣医学への意欲、そして実現したい未来を冒頭で示し、読み手の関心を惹きつけましょう。
  2. 一貫性の提示
    • あなたの特定の動物種、獣医学分野への興味がどのように育まれ、どのような経験や学びを通して深まってきたのかを、具体的なエピソードを交えながら語ります。なぜ獣医学という分野に心を惹かれ、どのような獣医療、研究、公衆衛生を通して社会に貢献したいと思うようになったのかを記述しましょう。
  3. 志望動機
    • なぜその大学の獣医学部(または〇〇学科)を志望するのか、その理由を具体的に説明します。カリキュラム、研究テーマ、教授陣、実習環境、施設・設備、地域連携、専門分野の特色などを具体的に挙げながら、あなたの探求したい分野や学びたいこととの関連性を明確に述べましょう。「〇〇教授の△△に関する研究が、私が抱える〇〇という課題に対する重要な示唆を与えてくれると確信している」「貴学の□□という実習プログラムを通して、〇〇と〇〇の知識と技術を統合し、〇〇という獣医療現場で貢献したい」といった具体的な記述が効果的です。
    • 入学後、どのような分野を学び、どのような知識や技術を習得し、将来どのように獣医師として社会に貢献したいのか、具体的な学習計画を示しましょう。また、将来、獣医師としてどのような目標を達成したいのか、社会にどのように貢献したいのかを具体的に語ることで、入学後の創造的な意欲と目的意識の高さをアピールできます。「〇〇という動物種の疾病について深く研究し、新たな治療法を開発したい」「貴学で培った知識と技術を活かし、〇〇という地域で動物医療の発展に貢献したい」といった記述が考えられます。
  4. 〆のひと押し
    • 最後に、改めてその大学で学びたいという強い熱意と、獣医学を通して動物と人々のより良い共存に貢献したいという意欲を述べ、志望理由書を動物への愛情とともに締めくくりましょう。「貴学の専門的な学びと充実した実習環境を通して、獣医学の可能性を追求し、動物の健康と福祉、そして社会の安全に貢献できる獣医師へと成長したいと強く願っております」といった表現が考えられます。

【獣医学部特有の視点:動物への愛情と獣医学への情熱をアピールする要素】

獣医学部の志望理由書では、上記の基本構成に加えて、以下の要素を意識的に盛り込むことで、あなたの動物への愛情と獣医学への情熱がより深く伝わる内容にすることができます。

  • 動物との具体的な関わり:ペットの飼育経験、動物ボランティア活動、牧場や動物園での経験などを通して、特定の動物種への深い愛情や関心を具体的に記述する。
  • 獣医学への興味のきっかけ:動物の病気や怪我の経験、獣医師の仕事を見た経験、獣医学に関する書籍やメディアに触れた経験などを通して、なぜ獣医学を志すようになったのか、具体的なきっかけとなった出来事を記述する。
  • 科学的な学習への意欲:生物学、化学、物理学など、獣医学の基礎となる科学分野への興味関心と、それらを専門的な学習に活かしたいという意欲を示す。
  • 観察力と考察力:動物の行動や生理状態を注意深く観察し、その変化から問題点を見つけ出し、考察する能力を示すエピソードを交える。
  • 倫理観と責任感の高さを示す考え動物の権利、実験動物の扱い、安楽死など、獣医学における倫理的な課題について、自身の考えを示す。
  • 社会貢献への具体的な意欲:小動物医療、大動物医療、野生動物保護、公衆衛生、食の安全など、獣医師としてどのような分野で社会に貢献したいのか、具体的な活動や目標を述べる。
  • 最新の獣医学・動物医療への関心:新しい治療法、診断技術、動物福祉の考え方など、獣医学・動物医療の最新動向に関心を持ち、学び続けたいという意欲を示す。

獣医学部 志望理由書作成のポイント

上記の基本構成要素を踏まえつつ、獣医学部特有の視点を意識することが重要です。

  • 動物への愛情を具体的なエピソードで語る:単に「動物が好き」というだけでなく、特定の動物との出会いや関わりを通して、どのような感情を抱き、どのようなことを学んだのか、具体的なエピソードを交えながら熱意を伝えましょう。
  • 獣医学への興味関心を明確にする:小動物医療、大動物医療、野生動物保護、公衆衛生、食の安全など、獣医学の中でも特にどの分野に関心があり、なぜその分野を学びたいのかを具体的に説明しましょう。
  • 科学的な学習への意欲を示す:生物学や化学などの基礎科目に興味を持ち、動物の体や病気の仕組みを深く理解したいという意欲を伝えましょう。
  • 観察力と考察力をアピールする:飼育している動物の行動の変化に気づいた経験や、動物に関するニュース記事を読んで考えたことなどを具体的に記述しましょう。
  • 倫理観と責任感について自身の考えを述べる:動物の命の尊さや、獣医師としての責任の重さについて、自身の言葉で考えを述べましょう。
  • 大学の教育方針や研究内容、施設への理解を示す:大学のウェブサイトやパンフレットをよく調べ、どのような教育方針を持ち、どのような研究が行われているのか、どのような施設が整っているのかを理解した上で、自分の興味や目標と合致する点を具体的に述べましょう。特定の教授の研究テーマに言及することも効果的です。
  • 将来の目標と学部での学びの関連性を強調する:将来、どのような獣医師になりたいのか(例:地域に根ざした動物病院の獣医師、野生動物の保護に携わる獣医師、食の安全を守る公務員獣医師など)、具体的なキャリアビジョンを描き、その実現のために獣医学部で何を学びたいのかを明確に述べましょう。

獣医学部 志望理由書の例文

それでは、上記のポイントを踏まえ、具体的な獣医学部の志望理由書の例文を見ていきましょう。あくまで例文として参考に留め、ご自身の言葉で熱意を伝えることが重要です。

【例文:山田太郎さんの志望理由書】

私が貴学獣医学部獣医学科を強く志望する理由は、幼い頃から共に暮らしてきた愛犬の病気をきっかけに、動物たちの苦しみを理解し、その命と健康を守ることができる獣医師になりたいと強く願うようになったからです。

小学生の頃から家族の一員であるミニチュアダックスフンドの「チョコ」が重い病気にかかり、長い期間治療を受けました。その間、獣医師の方々が懸命にチョコの治療にあたる姿を間近で見て、動物に対する深い愛情と確かな知識、そして困難に立ち向かう強い責任感に感銘を受けました。同時に、言葉を話せない動物たちの小さなサインを見逃さず、適切な治療を行う獣医師の専門性の高さを痛感し、私もそのような獣医師になりたいと強く思うようになりました。高校では、生物学や化学の授業を通して生命現象の奥深さに触れ、動物の体の仕組みや病気のメカニズムについてより深く学びたいという意欲が高まりました。また、地域の動物病院でボランティア活動に参加させていただき、獣医療の現場を体験する中で、獣医師の仕事のやりがいと責任の大きさを改めて認識しました。貴学獣医学部の、臨床実習を重視したカリキュラムと、多様な専門分野の研究に取り組む教授陣に魅力を感じ、ぜひこの環境で獣医学を深く学びたいと強く願っています。

貴学獣医学部獣医学科では、動物の解剖学、生理学、病理学といった基礎獣医学に加え、内科学、外科学、繁殖学、公衆衛生学など、幅広い臨床分野を体系的に学ぶことができるカリキュラムと、大学附属動物医療センターをはじめとする充実した臨床実習の環境が整っていると伺い、私が理想とする獣医師になるための最適な学びの場であると確信しています。特に、〇〇教授の「伴侶動物における慢性疾患の病態生理と新たな治療戦略に関する研究」に強い関心があり、将来、慢性疾患に苦しむ動物たちの苦痛を和らげ、生活の質の向上に貢献できる獣医師を目指す私にとって、先生の指導の下で専門的な知識と研究手法を学ぶことは大きな魅力です。

入学後は、〇〇教授の研究室に所属し、伴侶動物の慢性疾患に関する病態生理の解明と新たな治療法の開発に向けた研究に積極的に取り組みたいと考えています。また、大学附属動物医療センターでの臨床実習を通して、様々な動物種や臨床例を経験し、獣医師として必要な臨床技能と倫理観を習得したいと考えています。将来的には、地域に根ざした動物病院を開業し、質の高い医療サービスを提供することで、地域社会の動物たちの健康と福祉に貢献できる獣医師になりたいと考えています。

貴学の臨床実習を重視した教育方針、獣医学における高度な教育、そして熱意あふれる教授陣の下で、動物への深い愛情と獣医学への情熱を確固たる知識と技能に基づいて育て、動物と飼い主双方の幸福に貢献できる獣医師へと成長したいと強く願っております。

【例文から学ぶポイント】

  • 動物への愛情を具体的なエピソードで語る:愛犬の病気の経験を通して、獣医師を志すようになった原体験を具体的に述べています。
  • 獣医学への興味関心を明確にする:伴侶動物の慢性疾患の病態生理と新たな治療戦略に関心があることを具体的に示しています。
  • 科学的な学習への意欲を示す:生物学や化学への興味、動物の体の仕組みや病気のメカニズムへの探求心を述べています。
  • 観察力と考察力をアピールする:愛犬の病気の際の獣医師の行動を観察し、専門性の高さを認識した経験を述べています。
  • 倫理観と責任感について自身の考えを述べる:動物の命を預かる獣医師の責任の重さを理解していることを示唆しています。
  • 大学の教育方針や研究内容、施設への理解を示す:臨床実習を重視したカリキュラムや特定の教授の研究テーマに魅力を感じていることを具体的に述べています。
  • 将来の目標と学部での学びの関連性を強調する:地域に根ざした動物病院を開業し、医療サービスを提供したいという明確なキャリアビジョンを示し、そのために大学で何を学びたいのかを述べています。

最終確認!志望理由書提出前のチェックリスト

最後に、提出前に必ず確認しておきたいチェックリストをご紹介します。

  • 大学・学部のアドミッション・ポリシー(特に獣医学部の求める人物像)を深く理解しているか?
  • なぜその大学・学部の獣医学科で学びたいのか、具体的な理由が明確に書かれているか?
  • 高校での学習や課外活動を通して、動物との関わりや獣医療への関心を示すどのような経験や学びを得てきたのか具体的に記述しているか?
  • 動物への愛情、獣医学への興味関心を具体的に記述しているか?
  • 科学的な学習への意欲、観察力、考察力、倫理観、責任感について自身の考えを具体的に記述しているか?
  • 大学の教育方針や研究内容、施設への理解を示しているか?
  • 入学後の具体的な学習計画や研究・活動への意欲が明確に述べられているか?
  • 将来の獣医師としての展望や、社会貢献への意欲が伝わるか?
  • 誤字脱字、文法的な誤りはないか?
  • 指定された文字数制限を満たしているか?
  • あなたの動物への愛情と獣医学への情熱、そして誠実さが伝わる文章になっているか?

これらの項目を一つひとつ確認し、自信を持って志望理由書を提出してください。

KOSSUN教育ラボの活用

KOSSUN教育ラボは、小論文対策講座や個別指導、面接対策など、総合型選抜に特化した様々なサポートを行っています。

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KOSSUN教育ラボのサポート体制

  • 小論文対策講座: 基礎知識の習得から応用力養成まで、段階的に小論文の書き方を学ぶことができます。
  • 個別指導: 自分の課題に合わせて、講師にマンツーマンで指導を受けることができます。
  • 添削指導: 実際に書いた小論文を講師に添削してもらい、改善点を見つけることができます。
  • 面接対策: 面接で聞かれる可能性のある質問を想定し、練習することができます。
  • 出願書類添削: 志望理由書や自己PR文など、出願に必要な書類の添削を受けることができます。
  • 情報提供: 総合型選抜に関する最新情報や大学の情報を手に入れることができます。

KOSSUN教育ラボからのメッセージ

総合型選抜は、皆さんの個性や可能性を大学に伝える絶好の機会です。この記事が、獣医学部への志望理由書作成の一助となれば幸いです。

KOSSUN教育ラボでは、総合型選抜・学校推薦型選抜(AO入試・推薦入試)に特化した対策を行っています。

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※この記事は専門家による監修のもと執筆されています。