建築学部 志望理由書の書き方:例文と重要ポイント

こんにちは!KOSSUN教育ラボ教務担当です。

今回は、多様な可能性を秘めた入試制度である「総合型選抜」の中でも、人々の生活を豊かにする空間デザインと、持続可能な社会の実現に貢献する建築技術を学ぶ「建築学部」の志望理由書に焦点を当て、その概要から具体的な例文、そして合格を掴むための重要なポイントまで、じっくりと解説していきます。

「総合型選抜って、なんだか難しそう…」「建築学部の志望理由書って、どんなことを書けばいいの?」そんな疑問や不安を抱えている方も、この記事を読めばきっと道が開けるはずです。

私たちと一緒に、あなたの空間への探求心と創造力を最大限に引き出す志望理由書を作成し、夢の建築学部合格を掴み取りましょう!

改めて知る総合型選抜:一般選抜との違い、そして建築学部が求める人物像とは?

まず、総合型選抜とはどのような入試制度なのでしょうか?一般選抜との違いを明確にし、その上で建築学部がどのような学生を求めているのかを理解することが、志望理由書作成の第一歩となります。

総合型選抜(旧AO入試)とは?

総合型選抜は、従来の学力試験の成績だけでなく、志願者の個性、意欲、適性、経験などを総合的に評価する入試制度です。

大学が求める学生像(アドミッション・ポリシー)と照らし合わせながら、書類審査、面接、小論文、プレゼンテーション、実技など、多様な評価方法を用いて合否が判定されます。

一般選抜との違い

一般選抜が主に学力試験の結果を重視するのに対し、総合型選抜は、皆さんがこれまで培ってきた学びへの姿勢、課外活動への取り組み、将来の目標など、多角的な側面から評価される点が大きな違いです。「得意なこと」「興味のあること」「将来やりたいこと」を大学に積極的にアピールできるチャンスと言えるでしょう。

建築学部が求める人物像

それでは、建築学部はどのような学生を求めているのでしょうか?多くの建築学部が共通して重視する要素として、以下のような点が挙げられます。

  • 空間やデザインへの強い興味と関心: 美しい建築物や心地よい空間に魅力を感じ、デザインすることに喜びを感じる感性を持っていること。
  • 構造や機能への理解と探求心: 建築物がどのように成り立ち、どのような機能を持つのかを探求する論理的な思考力を持っていること。
  • 歴史や文化への理解と尊重: 地域の歴史や文化、環境との調和を考慮した建築を志向する意識を持っていること。
  • 課題発見・解決能力: 現代社会のニーズや環境問題に対応した、新しい建築のあり方を提案できること。
  • 創造性と表現力: アイデアを具体的な形にするための図面作成能力、模型製作能力、プレゼンテーション能力を持っていること。
  • コミュニケーション能力と協調性: 設計や施工の過程で、様々な専門家と協力してプロジェクトを進めることができること。
  • 倫理観と社会貢献意識: 安全で快適な生活環境を提供し、持続可能な社会の実現に貢献したいという意識を持っていること。

これらの要素を踏まえ、皆さんのこれまでの経験や学びと結びつけながら、志望理由書で自己PRしていくことが重要になります。

建築学部 志望理由書の構成要素と作成のポイント

次に、実際に建築学部の志望理由書を作成する上で、どのような要素を盛り込み、どのような点に注意すべきかを見ていきましょう。

一般的な志望理由書の構成要素と、建築学部特有の視点を交えながら解説します。

志望理由書の基本的な構成

KOSSUN教育ラボでは、合格する志望理由書の「黄金律」を導き出しました。

下記の基本構成を参考にあなたの空間への情熱と創造力が伝わる、論理的で魅力的な志望理由書を作成しましょう。

【志望理由書の基本的な構成例】

  • 志の宣言
    • 最初に、「〇〇という社会課題に対し、建築デザインと技術を通して解決したいという強い思いを持ち、貴学建築学部(または〇〇学科)を強く志望いたします」のように、あなたの最も核となる空間への探求心と、建築家または研究者として実現したい未来を冒頭で示し、読み手の関心を惹きつけましょう。
  • 一貫性の提示
    • あなたの空間やデザインへの興味がどのように育まれ、どのような経験や学びを通して深まってきたのかを、具体的なエピソードを交えながら語ります。なぜ建築という分野に心を惹かれ、どのような建築物、空間、都市をデザイン・研究したいと思うようになったのかを記述しましょう。
  • 志望動機
    • なぜその大学の建築学部(または〇〇学科)を志望するのか、その理由を具体的に説明します。カリキュラム、研究テーマ、教授陣、設計課題、ワークショップ、海外研修など、大学の具体的な要素に触れながら、あなたの探求したい分野や学びたいこととの関連性を明確に述べましょう。「〇〇教授の△△に関する環境共生建築の研究が、私が抱える〇〇という課題に対する重要な示唆を与えてくれると確信している」「貴学の□□という実践的な設計課題を通して、〇〇と〇〇の知識を統合し、〇〇という社会的なニーズに応える建築物をデザインしたい」といった具体的な記述が効果的です。
    • 入学後、どのような分野を学び、どのような建築物、空間、都市をデザイン・研究したいのか、具体的な活動計画を示しましょう。また、将来、建築の知識やスキルを活かしてどのような目標を達成したいのか、社会にどのように貢献したいのかを具体的に語ることで、入学後の創造的な意欲と目的意識の高さをアピールできます。「〇〇という技術を取り入れた〇〇という建築物を設計し、〇〇という課題の解決に貢献したい」「貴学で培ったデザイン力と構造知識を活かし、〇〇という分野で新たな建築のあり方を創造したい」といった記述が考えられます。
  • 〆のひと押し
    • 最後に、改めてその大学で学びたいという強い熱意と、建築を通してより良い未来を創造したいという意欲を述べ、志望理由書を未来への情熱とともに締めくくりましょう。「貴学の自由な発想と実践的な設計を重視する環境の中で、建築の可能性を追求し、人々の生活を豊かにする空間を創造できる人材へと成長したいと強く願っております」といった表現が考えられます。

【建築学部特有の視点:空間への探求心とデザイン・技術への意欲をアピールする要素】

建築学部の志望理由書では、上記の基本構成に加えて、以下の要素を意識的に盛り込むことで、あなたの空間への探求心とデザイン・技術への意欲がより深く伝わる内容にすることができます。

  • 空間体験への深い洞察力と関心: 日常生活の中で感じる空間の魅力や課題、建築物から受ける印象などを具体的に記述し、空間に対する深い洞察力と関心を示す。
  • デザイン、構造、環境など建築の多岐にわたる分野への興味: 意匠設計、構造設計、環境工学、都市計画、建築史など、建築を構成する多様な分野への興味を示し、特にどの分野に強い関心があるかを明確にする。
  • 創造性と表現力: 手書き図面、CG、模型製作、写真、スケッチなど、自身のアイデアを具体的な形にするための表現能力を示すエピソードや成果物を記述する。
  • 論理的な思考力と問題解決能力: 特定の建築物や都市空間の課題を発見し、その解決策を構造や機能、デザインの側面から論理的に考察する能力を示す具体的な経験や考察を記述する。
  • チームワークとコミュニケーション能力: グループワークや共同制作などの経験を通して、他者と協力しながら設計に取り組んだ経験や、自身のアイデアを効果的に伝えるコミュニケーション能力を示す。
  • 歴史や文化、環境への意識: 地域の歴史や文化、自然環境との調和を考慮した建築に関心があることを示し、持続可能な社会の実現に向けた意識を記述する。
  • 手作業の重要性とデジタル技術の活用への理解: 手で考えることの重要性と、CADやBIMなどのデジタル技術を設計に活用することへの理解を示す。

建築学部 志望理由書作成のポイント

上記の基本構成要素を踏まえつつ、建築学部特有の視点を意識することが重要です。

  • 具体的な建築物や空間体験を通して抱いた関心を深掘りする: 単に「建築が好き」と言うのではなく、特定の建築物や空間を訪れた際の具体的な体験や、そこから抱いた疑問、感動などを記述し、建築への興味の原点を明確にしましょう。
  • デザイン、構造、環境など、興味のある建築の分野を具体的に示す: 意匠設計、構造設計、環境共生、都市計画など、建築の中でも特に興味のある分野を具体的に挙げ、なぜその分野に惹かれるのかを説明しましょう。
  • 図面作成、模型製作、デザインなどの実践的な経験を示すエピソードを盛り込む: 学校の授業や課外活動、自主的な制作活動などで取り組んだ図面作成、模型製作、デザインなどの経験について、具体的なプロセスや工夫点、成果などを記述しましょう。
  • 社会の課題やニーズに対する建築の役割について考察する: 高齢化社会、環境問題、防災など、現代社会が抱える課題に対して、建築がどのように貢献できるのか、自身の考えや提案を具体的に記述しましょう。
  • 論理的な思考力、空間認識能力、そして創造性をバランスよくアピールする: 物事を多角的に捉え、構造的に考える力、空間を把握しイメージする力、そして新しいアイデアを生み出す創造性をバランスよくアピールしましょう。
  • 大学の教育方針や研究環境への理解を示す: 大学の特色や設計課題、ワークショップ、海外研修プログラム、教授陣の専門分野などを事前に調べ、自身の興味や目標とどのように合致するのかを具体的に述べましょう。

建築学部 志望理由書の例文

それでは、上記のポイントを踏まえ、具体的な建築学部の志望理由書の例文を見ていきましょう。あくまで例文として参考に留め、ご自身の言葉で熱意を伝えることが重要です。

【例文:高橋健太さんの志望理由書】

私が貴学建築学部建築学科を強く志望する理由は、地域社会の特性を活かし、住民の交流を促進するような持続可能なコミュニティ空間をデザインしたいという強い思いがあるからです。

幼い頃から住む地域の空き家問題や高齢化が進む現状を目の当たりにする中で、建築の力で地域を活性化できないかと考えるようになりました。特に、地域の歴史的な建造物をリノベーションし、新たな交流拠点として再生させるプロジェクトに感銘を受け、建築が単なる「箱」ではなく、人々の生活や繋がりを豊かにする力を持つことを強く意識しました。高校では、美術部でデッサンや立体制作を通して空間認識能力と表現力を磨き、ボランティア活動では地域の清掃活動やイベント運営を通して住民とのコミュニケーションの大切さを学びました。貴学建築学部建築学科の〇〇教授の「地域再生と住民主導のまちづくり」に関する研究を拝読し、建築を通じた地域活性化の可能性に共感し、ぜひこの研究室で学びたいと強く思いました。

貴学建築学部建築学科では、意匠設計、地域計画、環境共生、構造設計など、建築を多角的に学ぶことができるカリキュラムに加え、地域社会との連携プロジェクトやワークショップなど、実践的な学びの機会が豊富に用意されていると伺い、私の目標を実現するための最適な環境であると確信しています。特に、〇〇教授が主宰する地域再生デザイン研究室における実践的な研究活動や、△△市との連携による空き家再生プロジェクトに参加できる機会は、私が将来、地域社会に貢献できる建築家になるという目標を達成するための貴重な経験となると確信しています。

入学後は、〇〇教授の指導の下、地域計画、意匠設計、環境共生に関する専門知識と設計手法を深く学び、地域住民のニーズを丁寧に汲み取り、交流を促進するような持続可能なコミュニティ空間のデザインに積極的に取り組みたいと考えています。また、ワークショップや地域調査を通して、住民との対話を重ね、共に空間を創造するプロセスを学びたいと考えています。将来的には、地域に根差した建築設計事務所を設立し、地域の特性を活かした魅力的な建築物を設計することで、地域社会の活性化に貢献できる建築家になりたいと考えています。

貴学の地域社会との連携を重視する教育方針、実践的な設計演習、そして熱意あふれる教授陣の下で、建築を通して地域社会の課題解決に貢献できる建築家へと成長したいと強く願っております。

【例文から学ぶポイント】

  • 具体的な地域課題への関心と建築の役割の認識: 地域の空き家問題や高齢化という具体的な課題に対し、建築が果たすべき役割を明確に認識しています。
  • 空間体験と学びの接続: 地域再生プロジェクトへの感銘を通して、建築への関心を深めた経験を具体的に記述しています。
  • デザイン、地域計画、環境共生など、複数の建築分野への関心: 地域活性化という目標に向けて、意匠設計、地域計画、環境共生といった複数の分野に関心を持っていることを示しています。
  • 大学・研究室との明確な繋がり: 興味のある教授の研究内容や地域連携プロジェクトを具体的に挙げ、なぜその研究室で学びたいのかを明確に述べています。
  • 具体的な学習・設計計画: 入学後に学びたい分野や取り組みたい設計課題、地域との連携活動などを具体的に示しています。
  • デザイン力、コミュニケーション能力、地域への貢献意欲: 模型製作や地域活動を通して培ったデザイン力とコミュニケーション能力、そして地域社会に貢献したいという強い意欲をアピールしています。
  • 将来の建築家としての明確なビジョン: 地域に根差した建築設計事務所を設立し、地域活性化に貢献したいという明確なビジョンを示しています。

最終確認!志望理由書提出前のチェックリスト

最後に、提出前に必ず確認しておきたいチェックリストをご紹介します。

  • 大学・学部のアドミッション・ポリシー(特に建築学部の求める人物像)を深く理解しているか?
  • なぜその大学・学部の特定の分野(意匠、構造、環境、都市計画など)で学びたいのか、具体的な理由が明確に書かれているか?
  • 高校での美術、数学、物理、地学などの学習経験が、大学での専門的な学習や将来の設計目標と結びついているか?
  • 空間やデザインへの具体的な関心、興味のある建築分野、設計したい建築物や空間のアイデアなどを記述しているか?
  • 図面作成、模型製作、デザインなどの実践的な経験について具体的に記述しているか?
  • 入学後の具体的な学習計画や設計への意欲が明確に述べられているか?
  • 将来の建築家または研究者としての展望や、社会貢献への意欲が伝わるか?
  • 誤字脱字、文法的な誤りはないか?
  • 指定された文字数制限を満たしているか?
  • あなたの空間への探求心、創造力、そして未来への情熱が伝わる文章になっているか?

これらの項目を一つひとつ確認し、自信を持って志望理由書を提出してください。

KOSSUN教育ラボの活用

KOSSUN教育ラボは、小論文対策講座や個別指導、面接対策など、総合型選抜に特化した様々なサポートを行っています。

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KOSSUN教育ラボのサポート体制

  • 小論文対策講座: 基礎知識の習得から応用力養成まで、段階的に小論文の書き方を学ぶことができます。
  • 個別指導: 自分の課題に合わせて、講師にマンツーマンで指導を受けることができます。
  • 添削指導: 実際に書いた小論文を講師に添削してもらい、改善点を見つけることができます。
  • 面接対策: 面接で聞かれる可能性のある質問を想定し、練習することができます。
  • 出願書類添削: 志望理由書や自己PR文など、出願に必要な書類の添削を受けることができます。
  • 情報提供: 総合型選抜に関する最新情報や大学の情報を手に入れることができます。

KOSSUN教育ラボからのメッセージ

総合型選抜は、皆さんの個性や可能性を大学に伝える絶好の機会です。この記事が、建築学部への志望理由書作成の一助となれば幸いです。

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※この記事は専門家による監修のもと執筆されています。