
- 1. 芸術学部 志望理由書の書き方:例文と重要ポイント
- 2. 改めて知る総合型選抜:一般選抜との違い、そして芸術学部が求める人物像とは?
- 2.1.1. 総合型選抜(旧AO入試)とは?
- 2.1.2. 一般選抜との違い
- 2.1.3. 芸術学部が求める人物像
- 3. 芸術学部 志望理由書の構成要素と作成のポイント
- 3.1.1. 志望理由書の基本的な構成
- 3.1.2. 芸術学部 志望理由書作成のポイント
- 3.1.3. 芸術学部 志望理由書の例文
- 4. 最終確認!志望理由書提出前のチェックリスト
- 5. KOSSUN教育ラボの活用
- 6. KOSSUN教育ラボのサポート体制
- 7. KOSSUN教育ラボからのメッセージ
芸術学部 志望理由書の書き方:例文と重要ポイント
こんにちは!KOSSUN教育ラボ教務担当です。
今回は、多様な可能性を秘めた入試制度である「総合型選抜」の中でも、創造性と表現力を追求し、多様な芸術分野を専門的に学ぶ「芸術学部」の志望理由書に焦点を当て、その概要から具体的な例文、そして合格を掴むための重要なポイントまで、じっくりと解説していきます。
「総合型選抜って、なんだか難しそう…」「芸術学部の志望理由書って、どんなことを書けばいいの?」そんな疑問や不安を抱えている方も、この記事を読めばきっと道が開けるはずです。
私たちと一緒に、あなたの芸術への情熱と創造性を最大限に引き出す志望理由書を作成し、夢の芸術学部合格を掴み取りましょう!
改めて知る総合型選抜:一般選抜との違い、そして芸術学部が求める人物像とは?
まず、総合型選抜とはどのような入試制度なのでしょうか?一般選抜との違いを明確にし、その上で芸術学部がどのような学生を求めているのかを理解することが、志望理由書作成の第一歩となります。
総合型選抜(旧AO入試)とは?
総合型選抜は、従来の学力試験の成績だけでなく、志願者の個性、意欲、適性、経験などを総合的に評価する入試制度です。
大学が求める学生像(アドミッション・ポリシー)と照らし合わせながら、書類審査、面接、小論文、プレゼンテーション、実技、ポートフォリオなど、多様な評価方法を用いて合否が判定されます。
一般選抜との違い
一般選抜が主に学力試験の結果を重視するのに対し、総合型選抜は、皆さんがこれまで培ってきた学びへの姿勢、芸術活動への取り組み、将来の目標など、多角的な側面から評価される点が大きな違いです。「得意なこと」「興味のあること」「将来やりたいこと」を大学に積極的にアピールできるチャンスと言えるでしょう。
芸術学部が求める人物像
それでは、芸術学部はどのような学生を求めているのでしょうか?多くの芸術学部が共通して重視する要素として、以下のような点が挙げられます。
- 芸術への強い情熱と創造性:特定の芸術分野に対する深い興味と情熱を持ち、独創的なアイデアを生み出し、表現したいという強い意欲があること。
- 豊かな感性と表現力:物事を様々な角度から捉え、独自の感性に基づいた表現ができること。
- 探究心と実験精神:既存の概念にとらわれず、新しい表現方法や技術を積極的に探求し、実験する意欲があること。
- コミュニケーション能力と協調性:自身の作品や考えを他者に伝え、他者の意見に耳を傾け、共同制作などにも意欲的に取り組むことができること。
- 継続的な努力と向上心:自身の表現力を高めるために、地道な努力を継続し、常に向上心を持って学び続けることができること。
- 社会や文化への関心:社会の動きや文化的な背景に関心を持ち、自身の表現活動と結びつけようとする意識があること。
- 倫理観と責任感:自身の表現が社会に与える影響を理解し、責任ある態度で創作活動に取り組むことができること。
これらの要素を踏まえ、皆さんのこれまでの経験や学び、そして作品を通して、志望理由書で自己PRしていくことが重要になります。
芸術学部 志望理由書の構成要素と作成のポイント
次に、実際に芸術学部の志望理由書を作成する上で、どのような要素を盛り込み、どのような点に注意すべきかを見ていきましょう。
一般的な志望理由書の構成要素と、芸術学部特有の視点を交えながら解説します。
志望理由書の基本的な構成
KOSSUN教育ラボでは、合格する志望理由書の「黄金律」を導き出しました。
下記の基本構成を参考にあなたの芸術への情熱と創造性が伝わる、論理的で魅力的な志望理由書を作成しましょう。
【志望理由書の基本的な構成例】
- 志の宣言
- 最初に、「〇〇という芸術分野における表現を通して、〇〇という社会へのメッセージを発信したいという強い思いを持ち、貴学芸術学部(または〇〇学科)を強く志望いたします」のように、あなたの最も核となる芸術への関心と表現への意欲、そして実現したい未来を冒頭で示し、読み手の関心を惹きつけましょう。
- 一貫性の提示
- あなたの特定の芸術分野への興味がどのように育まれ、どのような経験や学びを通して深まってきたのかを、具体的なエピソードや作品を交えながら語ります。なぜその芸術分野に心を惹かれ、どのような表現を通して社会や人々に働きかけたいと思うようになったのかを記述しましょう。
- 志望動機
- なぜその大学の芸術学部(または〇〇学科)を志望するのか、その理由を具体的に説明します。カリキュラム、研究テーマ、教授陣、設備・環境、卒業生の進路、大学の特色などを具体的に挙げながら、あなたの探求したい分野や学びたいこととの関連性を明確に述べましょう。「〇〇教授の△△に関する研究が、私の〇〇という表現テーマに対する重要な示唆を与えてくれると確信している」「貴学の□□という設備環境の中で、〇〇という新しい表現方法を追求したい」といった具体的な記述が効果的です。
- 入学後、どのような分野を学び、どのような表現方法や技術を習得し、将来どのように芸術を通して社会に貢献したいのか、具体的な学習計画を示しましょう。また、将来、芸術家やデザイナー、クリエイターとしてどのような目標を達成したいのか、社会にどのように働きかけたいのかを具体的に語ることで、入学後の創造的な意欲と目的意識の高さをアピールできます。「〇〇という技法を深く学び、〇〇という社会問題をテーマにした作品を制作したい」「貴学で培った知識と技術を活かし、〇〇という分野で人々の心を豊かにする表現活動を行いたい」といった記述が考えられます。
- 〆のひと押し
- 最後に、改めてその大学で学びたいという強い熱意と、芸術を通してより良い社会や豊かな文化を創造したいという意欲を述べ、志望理由書を芸術への情熱とともに締めくくりましょう。「貴学の創造的な学びの環境と刺激的な出会いを通して、自身の表現力を磨き、社会に深く響く作品を創造できる芸術家へと成長したいと強く願っております」といった表現が考えられます。
【芸術学部特有の視点:芸術への情熱と創造性をアピールする要素】
芸術学部の志望理由書では、上記の基本構成に加えて、以下の要素を意識的に盛り込むことで、あなたの芸術への情熱と創造性がより深く伝わる内容にすることができます。
- 特定の芸術分野への深い関与と実績:絵画、彫刻、デザイン、映像、音楽、演劇など、特定の芸術分野における制作活動、発表経験、受賞歴などを具体的に記述する。
- 創造性の源泉と表現テーマ:どのような経験や関心から創造意欲が湧き上がり、どのようなテーマで表現活動を行っているのかを具体的に説明する。
- 独自の表現方法や技術への意識:他の人とは異なる独自の表現方法や技術をどのように追求し、発展させてきたのかを具体的に記述する。
- 作品に対する深い考察:自身の作品について、コンセプト、表現意図、技法、鑑賞者に伝えたいメッセージなどを深く考察し、言語化する。
- 社会や文化との繋がりへの意識:自身の表現活動が、社会の出来事や文化的な背景とどのように関わっているのか、またはどのように影響を与えたいと考えているのかを記述する。
- 他の芸術家や作品からの影響:尊敬する芸術家や影響を受けた作品について具体的に触れ、自身の表現活動との関連性を示す。
- ポートフォリオとの連携:提出するポートフォリオの内容と志望理由書の内容を関連付け、作品を通して伝えきれない背景や意図を補足する。
芸術学部 志望理由書作成のポイント
上記の基本構成要素を踏まえつつ、芸術学部特有の視点を意識することが重要です。
- 特定の芸術分野への情熱と実績を具体的に示す:どのような分野に情熱を持ち、どのような作品を制作してきたのか、具体的な作品名や活動内容を交えながら熱意を伝えましょう。
- 創造性の源泉と表現テーマを明確に語る:何があなたの創作意欲を掻き立てるのか、どのような問題意識や関心を持って表現活動に取り組んでいるのかを具体的に説明しましょう。
- 独自の表現方法や技術への意識をアピールする:他の人にはない独自の視点や表現方法、工夫している点などを具体的に記述しましょう。
- 作品に対する深い考察を示す:自身の作品について、制作意図、表現方法の選択理由、鑑賞者にどのように感じてほしいかなどを深く掘り下げて記述しましょう。
- 大学の教育方針や設備、教員への理解を示す:大学のウェブサイトやパンフレットをよく調べ、どのような教育方針を持ち、どのような設備が整っているのか、どのような教員がいるのかを理解した上で、自分の興味や学びたいことと合致する点を具体的に述べましょう。特定の教員の専門分野や研究テーマに言及することも効果的です。
- ポートフォリオとの連携を意識する:提出するポートフォリオの作品と志望理由書の内容が矛盾しないように注意し、志望理由書で作品の意図や背景を補足するなど、両者を関連付ける記述を心がけましょう。
- 将来の目標と学部での学びの関連性を強調する:将来、どのような芸術家、デザイナー、クリエイターとして活動したいのか、具体的なキャリアビジョンを描き、その実現のために芸術学部で何を学びたいのかを明確に述べましょう。
芸術学部 志望理由書の例文
それでは、上記のポイントを踏まえ、具体的な芸術学部の志望理由書の例文を見ていきましょう。あくまで例文として参考に留め、ご自身の言葉で熱意を伝えることが重要です。
【例文:佐藤美咲さんの志望理由書】
私が貴学芸術学部油絵学科を強く志望する理由は、幼い頃から描き続けてきた油絵を通して、目に見えない感情や記憶の風景を色彩と筆致によって表現し、鑑賞者の心に深く響く作品を創造したいという強い思いがあるからです。
幼い頃、祖母の家で見た古い絵画の色彩と質感に心を奪われたことが、私が油絵の世界に足を踏み入れるきっかけでした。以来、身の回りの風景や心象風景をキャンバスに向かって描き続け、色彩の重なりや筆のタッチによって、言葉では表現しきれない感情や記憶の断片を表現することに魅力を感じるようになりました。高校では美術部に所属し、油絵の基礎技法を学ぶとともに、学内外の展覧会に積極的に出品することで、自身の表現と向き合い、他者の作品から刺激を受ける貴重な経験を重ねてきました。貴学芸術学部油絵学科の、伝統的な油絵技法を深く学びながらも、現代的な表現への挑戦を奨励する自由な学風と、多様な表現を探求する意欲的な学生が集まる環境に強く惹かれ、ぜひこの場所で自身の表現をさらに深く追求したいと強く思いました。
貴学芸術学部油絵学科では、油絵の基礎的な技術はもちろんのこと、芸術理論や現代美術の動向に関する講義、そして個別的な制作指導を通して、自身の表現を深く掘り下げ、新たな可能性を探求するための多角的な学びの機会が提供されていると伺い、私が目指す表現の実現に最適な環境であると確信しています。特に、〇〇教授の「記憶と感情の可視化に関する色彩研究」に強い関心があり、自身の表現テーマである曖昧な記憶の風景を色彩によって表現するという試みにおいて、先生の芸術理論と実践的な指導を受けることは、私の制作活動を大きく発展させる契機となると確信しています。
入学後は、〇〇教授の指導の下、油絵の技法と芸術理論を深く学びながら、自身の記憶や感情の風景をテーマにした作品制作に積極的に取り組み、色彩と筆致による独自の表現方法を確立したいと考えています。また、学部内の多様な表現領域を学ぶ学生との交流を通して、新たな表現の可能性を探り、共同制作にも積極的に挑戦したいと考えています。将来的には、自身の作品を通して、鑑賞者の心に静かに語りかけ、それぞれの内なる感情や記憶を呼び覚ますような油絵画家として活動していきたいと考えています。
貴学の自由な学風と創造的な制作環境、そして熱意あふれる教授陣の下で、自身の内なる感情と記憶に向き合い、色彩と筆致を通して観る者の心に深く印象に残る作品を創造できる油絵画家へと成長したいと強く願っております。
【例文から学ぶポイント】
- 特定の芸術分野への情熱と実績を具体的に示す:油絵への情熱と、高校での制作活動や展覧会への出品経験を具体的に述べています。
- 創造性の源泉と表現テーマを明確に語る:幼い頃の経験から、感情や記憶の風景を表現することに魅力を感じていることを説明しています。
- 独自の表現方法や技術への意識をアピールする:色彩と筆致による独自の表現方法への意識を示唆しています。
- 作品に対する深い考察を示す:感情や記憶の風景を色彩によって表現するという制作意図を述べています。
- 大学の教育方針や設備、教員への理解を示す:自由な学風や特定の教授の研究テーマに魅力を感じていることを具体的に述べています。
- ポートフォリオとの連携を意識する:作品を通して伝えたいテーマと志望理由書の内容を一致させています。
- 将来の目標と学部での学びの関連性を強調する:鑑賞者の心に響く油絵画家として活動したいという具体的な目標と、大学での学びの関連性 を示しています。
最終確認!志望理由書提出前のチェックリスト
最後に、提出前に必ず確認しておきたいチェックリストをご紹介します。
- 大学・学部のアドミッション・ポリシー(特に芸術学部の求める人物像)を深く理解しているか?
- なぜその大学・学部の特定の学科(油絵学科、彫刻学科、デザイン学科など)で学びたいのか、具体的な理由が明確に書かれているか?
- 高校での学習や芸術活動を通して、どのような経験や学びを得てきたのか具体的に記述しているか?
- 特定の芸術分野への情熱、創造性の源泉、表現テーマを具体的に記述しているか?
- 独自の表現方法や技術への意識、作品に対する深い考察を示しているか?
- 大学の教育方針や設備、教員への理解を示しているか?
- ポートフォリオの内容と連携した記述になっているか?
- 入学後の具体的な学習計画や制作活動への意欲が明確に述べられているか?
- 将来の芸術家、デザイナー、クリエイターとしての展望や、社会との関わりへの意欲が伝わるか?
- 倫理観、責任感について言及しているか?
- 誤字脱字、文法的な誤りはないか?
- 指定された文字数制限を満たしているか?
- あなたの芸術への情熱と創造性、そして誠実さが伝わる文章になっているか?
これらの項目を一つひとつ確認し、自信を持って志望理由書とポートフォリオを提出してください。
KOSSUN教育ラボの活用
KOSSUN教育ラボは、小論文対策講座や個別指導、面接対策など、総合型選抜に特化した様々なサポートを行っています。
専門の講師があなたの個性や強みを引き出し、合格に向けて徹底的に指導します。
KOSSUN教育ラボのサポート体制
- 小論文対策講座: 基礎知識の習得から応用力養成まで、段階的に小論文の書き方を学ぶことができます。
- 個別指導: 自分の課題に合わせて、講師にマンツーマンで指導を受けることができます。
- 添削指導: 実際に書いた小論文を講師に添削してもらい、改善点を見つけることができます。
- 面接対策: 面接で聞かれる可能性のある質問を想定し、練習することができます。
- 出願書類添削: 志望理由書や自己PR文など、出願に必要な書類の添削を受けることができます。
- 情報提供: 総合型選抜に関する最新情報や大学の情報を手に入れることができます。
KOSSUN教育ラボからのメッセージ
総合型選抜は、皆さんの個性や可能性を大学に伝える絶好の機会です。この記事が、芸術学部への志望理由書作成の一助となれば幸いです。
KOSSUN教育ラボでは、総合型選抜・学校推薦型選抜(AO入試・推薦入試)に特化した対策を行っています。
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※この記事は専門家による監修のもと執筆されています。

この記事を監修した人
川又 ヒトミ(かわまた・ひとみ)
東京大学、慶應義塾大学のダブル合格者を輩出!
実力と人間性を兼備した指名の絶えない人気講師。
【略歴】学士(文学)お茶の水女子大学
群馬県出身。大学卒業後、私立高校に入職。その間、進路指導部長を務め、大学入試改革や新学習指導要領、ギガスクール構想など高校の教育現場に押し寄せる変化にいち早く対応。
東京大学、慶應義塾大学SFCのダブル合格者を輩出するなど、最新情報を駆使した戦略的な指導に定評がある。塾生はもちろん、講師からも一目置かれ、「合格請負人」の異名を取るほどの人気講師となっている。
趣味特技は、散歩、読書。