保健医療学部 志望理由書の書き方:例文と重要ポイント

今回は、多様な可能性を秘めた入試制度である「総合型選抜」の中でも、人々の健康の維持・増進、疾病の予防、そして医療・福祉サービスの提供に関わる専門家を目指し、看護学、理学療法学、作業療法学、言語聴覚学など、幅広い専門知識と技術を習得する「保健医療学部」の志望理由書に焦点を当て、その概要から具体的な例文、そして合格を掴むための重要なポイントまで、じっくりと解説していきます。

「総合型選抜って、なんだか難しそう…」「保健医療学部の志望理由書って、どんなことを書けばいいの?」そんな疑問や不安を抱えている方も、この記事を読めばきっと道が開けるはずです。

私たちと一緒に、あなたの人々への温かい眼差しと保健医療への貢献意欲を最大限に引き出す志望理由書を作成し、夢の保健医療学部合格を掴み取りましょう!

改めて知る総合型選抜:一般選抜との違い、そして保健医療学部が求める人物像とは?

まず、総合型選抜とはどのような入試制度なのでしょうか?一般選抜との違いを明確にし、その上で保健医療学部がどのような学生を求めているのかを理解することが、志望理由書作成の第一歩となります。

総合型選抜(旧AO入試)とは?

総合型選抜は、従来の学力試験の成績だけでなく、志願者の個性、意欲、適性、経験などを総合的に評価する入試制度です。

大学が求める学生像(アドミッション・ポリシー)と照らし合わせながら、書類審査、面接、小論文、プレゼンテーション、実技など、多様な評価方法を用いて合否が判定されます。

一般選抜との違い

一般選抜が主に学力試験の結果を重視するのに対し、総合型選抜は、皆さんがこれまで培ってきた学びへの姿勢、保健医療分野への関心、将来の目標など、多角的な側面から評価される点が大きな違いです。「得意なこと」「興味のあること」「将来やりたいこと」を大学に積極的にアピールできるチャンスと言えるでしょう。

保健医療学部が求める人物像

それでは、保健医療学部はどのような学生を求めているのでしょうか?多くの保健医療学部が共通して重視する要素として、以下のような点が挙げられます。

  • 人々の健康と福祉への深い関心:病気や障がいを持つ人々、健康上の不安を抱える人々、地域社会全体の健康に関心をもち、その支援に貢献したいという温かい気持ちがあること。
  • 科学的な探究心と論理的思考力:人体の構造や機能、病気の仕組み、リハビリテーションの手法、コミュニケーションの原理などを科学的に探求し、根拠に基づいた保健医療を実践したいという意欲があること。
  • 高いコミュニケーション能力と共感性:患者さんや利用者、その家族、医療・福祉チームのメンバーと円滑にコミュニケーションを取り、信頼関係を築くことができること。
  • 倫理的な判断力と責任感:生命の尊厳を尊重し、倫理的な課題に真摯に向き合い、専門職としての責任を自覚し行動できること。
  • 主体的な学習意欲と向上心:常に新しい知識や技術を学び続け、自己成長を追求する意欲があること。
  • チームワークと協調性:医療・福祉現場において、多職種の専門家と連携し、協力して患者さんや利用者のケア・支援に取り組むことができること。
  • 問題解決能力と応用力:個々の患者さんや利用者の状態、地域社会の課題を理解し、科学的な知識や技術を応用して最適な支援を提供するための解決策を見出すことができること。

これらの要素を踏まえ、皆さんのこれまでの経験や学びと結びつけながら、志望理由書で自己PRしていくことが重要になります。

保健医療学部 志望理由書の構成要素と作成のポイント

次に、実際に保健医療学部の志望理由書を作成する上で、どのような要素を盛り込み、どのような点に注意すべきかを見ていきましょう。

一般的な志望理由書の構成要素と、保健医療学部特有の視点を交えながら解説します。

志望理由書の基本的な構成

KOSSUN教育ラボでは、合格する志望理由書の「黄金律」を導き出しました。

下記の基本構成を参考にあなたの人々への温かい眼差しと保健医療への貢献意欲が伝わる、論理的で魅力的な志望理由書を作成しましょう。

【志望理由書の基本的な構成例】

  1. 志の宣言
    • 最初に、「〇〇という保健医療の課題に対し、貴学保健医療学部(または〇〇学科)で専門的な知識と技術を習得し、貢献したいという強い思いを持ち、強く志望いたします」のように、あなたの最も核となる保健医療への関心と貢献への意欲、そして実現したい未来を冒頭で示し、読み手の関心を惹きつけましょう。
  2. 一貫性の提示
    • あなたの看護学、理学療法学、作業療法学、言語聴覚学などへの興味がどのように育まれ、どのような経験や学びを通して深まってきたのかを、具体的なエピソードを交えながら語ります。なぜ保健医療という分野に心を惹かれ、どのような専門知識や技術を通して人々の健康と福祉に貢献したいと思うようになったのかを記述しましょう。
  3. 志望動機
    • なぜその大学の保健医療学部(または〇〇学科)を志望するのか、その理由を具体的に説明します。カリキュラム、研究テーマ、教授陣、実習環境、施設・設備、地域連携、専門分野の特色などを具体的に挙げながら、あなたの探求したい分野や学びたいこととの関連性を明確に述べましょう。「〇〇教授の△△に関する研究が、私が抱える〇〇という課題に対する重要な示唆を与えてくれると確信している」「貴学の□□という実習プログラムを通して、〇〇と〇〇の知識と技術を統合し、〇〇という保健医療現場で貢献したい」といった具体的な記述が効果的です。
    • 入学後、どのような分野を学び、どのような知識や技術を習得し、将来どのように保健医療の専門家として社会に貢献したいのか、具体的な学習計画を示しましょう。また、将来、保健医療の専門家としてどのような目標を達成したいのか、社会にどのように貢献したいのかを具体的に語ることで、入学後の創造的な意欲と目的意識の高さをアピールできます。「〇〇という専門分野を深く学び、〇〇という患者さんの生活の質向上に貢献したい」「貴学で培った多角的な視点と実践力を活かし、〇〇という地域社会の健康増進に貢献したい」といった記述が考えられます。
  4. 〆のひと押し
    • 最後に、改めてその大学で学びたいという強い熱意と、保健医療を通して人々の健康と福祉に貢献したいという意欲を述べ、志望理由書を人への温かい眼差しとともに締めくくりましょう。「貴学の専門的な学びと充実した実習環境を通して、保健医療の可能性を追求し、人々の健康と幸福に貢献できる専門職へと成長したいと強く願っております」といった表現が考えられます。

【保健医療学部特有の視点:人々への温かい眼差しと保健医療への貢献意欲をアピールする要素】

保健医療学部の志望理由書では、上記の基本構成に加えて、以下の要素を意識的に盛り込むことで、あなたの保健医療への情熱と貢献への熱意がより深く伝わる内容にすることができます。

  • 特定の専門分野への強い興味:看護学、理学療法学、作業療法学、言語聴覚学など、保健医療分野の中でも特にどの分野に興味があり、なぜその分野を学びたいのか、具体的な理由やきっかけとなった経験を記述する。
  • 人々の健康や生活を支えたいという思い:病気や障がいを持つ人々だけでなく、高齢者、子ども、地域住民など、様々な立場の人々の健康や生活の質を高めたいという具体的な思いを示すエピソードや考察を記述する。
  • 科学的な学習への意欲:人体の構造や機能、病気の仕組み、リハビリテーションの理論など、保健医療の基礎となる科学分野への興味関心と、それらを専門的な学習に活かしたいという意欲を示す。
  • コミュニケーション能力と共感性の高さを示すエピソード:ボランティア活動、友人や家族のサポート経験などを通して、相手の気持ちを理解し、寄り添い、良好なコミュニケーションを築いた経験を具体的に記述する。
  • チーム医療・多職種連携への理解と貢献意欲:医師、看護師、リハビリテーション専門職、ソーシャルワーカーなど、多職種が連携して患者さんや利用者のケア・支援にあたるチーム医療の重要性を理解し、その中でどのように貢献したいかを述べる。
  • 地域包括ケアへの関心:病院だけでなく、在宅、施設、地域など、様々な場所で人々が安心して生活できる地域包括ケアに関心を持ち、貢献したいという意欲を示す。
  • 最新の医療・福祉動向への関心:高齢化社会、医療技術の進歩、障がい者福祉の充実など、保健医療分野の最新の動向に関心を持ち、学び続けたいという意欲を示す。

保健医療学部 志望理由書作成のポイント

上記の基本構成要素を踏まえつつ、保健医療学部特有の視点を意識することが重要です。

  • 特定の専門分野への興味を具体的に語る:看護師として患者さんの心身のケアをしたい、理学療法士として運動機能の回復を支援したい、作業療法士として日常生活を取り戻すサポートをしたい、言語聴覚士としてコミュニケーション能力の改善を支援したいなど、具体的な目標と結びつけて興味を語りましょう。
  • 人々の健康や生活を支えたいという思いを具体的に示す:どのような状況にある人々の役に立ちたいのか、具体的な場面を思い浮かべながら記述しましょう。
  • 科学的な学習への意欲を示す:生物学や物理学などの基礎科目に興味を持ち、人体の仕組みや病気のメカニズム、リハビリテーションの理論などを深く理解したいという意欲を伝えましょう。
  • コミュニケーション能力と共感性をアピールする:人の話を聞くこと、相手の気持ちを理解すること、協力して何かを成し遂げることなど、自身の経験を通して得たコミュニケーション能力や共感性を具体的に記述しましょう。
  • チーム医療・多職種連携への理解を示す:医療・福祉現場では様々な専門職が連携して働くことを理解し、その中で自分はどのように貢献したいかを考えを述べましょう。
  • 大学の教育方針や実習環境への理解を示す:大学のウェブサイトやパンフレットをよく調べ、どのような教育方針を持ち、どのような実習環境が整っているのかを理解した上で、自分の学びたいことと合致する点を具体的に述べましょう。
  • 将来の目標と学部での学びの関連性を強調する:将来、どのような保健医療の専門家になりたいのか、具体的なキャリアビジョンを描き、その実現のために保健医療学部で何を学びたいのかを明確に述べましょう。

保健医療学部 志望理由書の例文

それでは、上記のポイントを踏まえ、具体的な保健医療学部の志望理由書の例文を見ていきましょう。あくまで例文として参考に留め、ご自身の言葉で熱意を伝えることが重要です。

【例文:佐藤美咲さんの志望理由書】

私が貴学保健医療学部理学療法学科を強く志望する理由は、中学校時代の部活動での怪我のリハビリテーションを通して、運動機能の回復が人々の生活の質を大きく向上させることを実感し、将来、理学療法の専門家として、人々の笑顔を取り戻す手助けをしたいという強い思いがあるからです。

中学校のバスケットボール部で膝を怪我し、長い期間リハビリテーションに取り組みました。当初は歩くことさえ困難でしたが、理学療法士の方の丁寧な理学療法と心理的なサポートのおかげで、再びコートに戻ることができました。この経験を通して、理学療法が単に運動機能の回復だけでなく、人々の精神的な支えにもなることを強く実感し、私も理学療法の専門家として、怪我や病気で苦しむ人々の希望となりたいと考えるようになりました。高校では、生物学や保健の授業を通して人体の構造や機能、様々な疾患について学びを深めました。また、地域のボランティア活動に参加し、高齢者の方の理学療法の補助を行う中で、理学療法の重要性と奥深さを改めて認識しました。貴学理学療法学科の、臨床実習を重視した教育方針と、理学療法の最先端の研究に取り組む教授陣に魅力を感じ、ぜひこの環境で専門知識と技術を深く学びたいと強く思いました。

貴学保健医療学部理学療法学科では、解剖学、生理学、運動学といった理学療法の基礎となる科目はもちろんのこと、様々な臨床状態に対応するための専門科目や、豊富な臨床実習が用意されていると伺い、理学療法の専門家として必要な知識と技術を実践的に習得できる最適な環境であると確信しています。特に、〇〇教授の「スポーツ外傷からの復帰支援に関するバイオメカニクス的研究」に強い関心があり、将来、スポーツ外傷に苦しむアスリートの理学療法に貢献したいと考えている私にとって、先生の指導の下で専門的な知識と技術を学ぶことは大きな魅力です。

入学後は、〇〇教授の研究室に所属し、スポーツ外傷の理学療法に関するバイオメカニクス的な研究を深めたいと考えています。また、臨床実習では、様々な臨床状況を経験し、理学療法の基本的な技術を習得するとともに、患者さん一人ひとりの状態に合わせた個別的なアプローチを学ぶことを重視したいと考えています。将来的には、スポーツ整形外科のある病院やスポーツクラブなどで、スポーツ外傷の理学療法を専門とする理学療法士として、アスリートの早期復帰とパフォーマンス向上に貢献したいと考えています。

貴学の臨床実習を重視した教育方針、理学療法における高度な教育、そして熱意あふれる教授陣の下で、理学療法の専門知識と技術を磨き、理学療法を通して人々の健康と笑顔を支える理学療法士へと成長したいと強く願っております。

【例文から学ぶポイント】

  • 特定の専門分野への強い興味を具体的に語る:理学療法、特にスポーツ外傷の理学療法に強い興味を持ち、その分野で貢献したいという具体的な目標を示しています。
  • 人々の健康や生活を支えたいという思いを具体的に示す:自身の怪我のリハビリテーション経験を通して、理学療法が人々の生活の質を向上させることを実感した経験を述べています。
  • 科学的な学習への意欲を示す:解剖学、生理学、運動学といった理学療法の基礎となる科目への興味を示しています。
  • コミュニケーション能力と共感性をアピールする:リハビリテーションに関わった理学療法士との関わりを通して、心理的なサポートの重要性を学んだ経験を述べています。
  • 大学の教育方針や実習環境への理解を示す:臨床実習を重視した教育方針や、理学療法の最先端の研究に取り組む教授陣に魅力を感じていることを具体的に述べています。
  • 将来の目標と学部での学びの関連性を強調する:スポーツ外傷の理学療法を専門とする理学療法士になりたいという明確なキャリアビジョンを持ち、そのために大学で何を学びたいのかを具体的に述べています。

最終確認!志望理由書提出前のチェックリスト

最後に、提出前に必ず確認しておきたいチェックリストをご紹介します。

  • 大学・学部のアドミッション・ポリシー(特に保健医療学部の求める人物像)を深く理解しているか?
  • なぜその大学・学部の特定の学科(看護学科、理学療法学科、作業療法学科、言語聴覚学科など)で学びたいのか、具体的な理由が明確に書かれているか?
  • 高校での学習や課外活動を通して、保健医療分野に関わるどのような経験や学びを得てきたのか具体的に記述しているか?
  • 特定の専門分野への興味、人々の健康や生活を支えたいという思いを具体的に記述しているか?
  • 科学的な学習への意欲、コミュニケーション能力、共感性を示唆するエピソードを具体的に記述しているか?
  • チーム医療・多職種連携への理解、地域包括ケアへの関心を示しているか?
  • 入学後の具体的な学習計画や研究・活動への意欲が明確に述べられているか?
  • 将来の保健医療の専門家としての展望や、社会貢献への意欲が伝わるか?
  • 倫理観、責任感について言及しているか?
  • 誤字脱字、文法的な誤りはないか?
  • 指定された文字数制限を満たしているか?
  • あなたの人々への温かい眼差し、保健医療への貢献意欲、そして誠実さが伝わる文章になっているか?

これらの項目を一つひとつ確認し、自信を持って志望理由書を提出してください。

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  • 出願書類添削: 志望理由書や自己PR文など、出願に必要な書類の添削を受けることができます。
  • 情報提供: 総合型選抜に関する最新情報や大学の情報を手に入れることができます。

KOSSUN教育ラボからのメッセージ

総合型選抜は、皆さんの個性や可能性を大学に伝える絶好の機会です。この記事が、保健医療学部への志望理由書作成の一助となれば幸いです。

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※この記事は専門家による監修のもと執筆されています。