
- 1. 「教授を知る」が合格への最短ルート。論文を読み解き、知の対話を始めるための基礎講座
- 2. 1. なぜ、教授の論文を読む必要があるのか?
- 2.1. ① 「研究の最前線」と自分の「問い」を繋ぐ
- 2.2. ② ミスマッチを未然に防ぐ
- 3. 2. 【実践】教授の論文をどうやって調べる?
- 3.1. ステップ①: 大学の「教員紹介」ページ
- 3.2. ステップ②: CiNii Research(シニィ・リサーチ)を使い倒す
- 3.3. ステップ③: Google Scholar(グーグル・スカラー)
- 4. 3. 「難しそう」を突破する。高校生のための論文読解・4つのステップ
- 4.1. ステップ①: 「アブストラクト(要旨)」で全体像を掴む
- 4.2. ステップ②: 「はじめに(序論)」で背景を知る
- 4.3. ステップ③: 「おわりに(結論・考察)」で未来を読み取る
- 4.4. ステップ④: 「注釈・参考文献」を逆引きする
- 5. 4. 論文の内容を「志望理由書」に落とし込む技法
- 5.1. 「敬意」と「提案」をセットにする
- 6. 5. 面接で「論文について」聞かれた時の切り返し
- 7. 6. 論文は「ラブレターの解読」である
- 7.1. KOSSUN教育ラボからのメッセージ
「教授を知る」が合格への最短ルート。論文を読み解き、知の対話を始めるための基礎講座
こんにちは!KOSSUN教育ラボ教務担当です。
志望理由書のブラッシュアップに励んでいる皆さんに、今日お伝えしたいのは「究極の差別化」についてです。
「志望校のホームページは見た」「パンフレットも読み込んだ」。しかし、それだけでは不十分です。
総合型選抜、特に難関大を目指す上で合格の鍵を握るのは、あなたが「指導を仰ぎたい教授」をどこまで深く知っているか、という一点に尽きます。
そして、教授を知るための唯一にして最高の手段が、教授が書いた「論文」を読むことです。
「高校生には難しそう……」「どうやって調べればいいの?」という不安を解消し、論文をあなたの強力な武器に変えるための「読み方の極意」を徹底解説します。
1. なぜ、教授の論文を読む必要があるのか?
「講義を受けたいから」という志望理由は、まだ「客観的」なファンレターに過ぎません。
論文を読むことで、あなたの志望理由は「知的対話」へと昇華されます。
① 「研究の最前線」と自分の「問い」を繋ぐ
教授は、人生をかけてある特定の問いに挑み続けています。その最新の到達点が論文です。論文を読むことで、「先生が挑んでいる〇〇という課題に対し、私は△△という観点から関心を持っています」と、極めて解像度の高いアピールが可能になります。
② ミスマッチを未然に防ぐ
「心理学をやりたい」と思って志望した教授が、実は「統計データのみを扱う数理心理学」の専門家だった。というミスマッチはよくあります。
論文を数ページ読むだけで、その教授の研究手法(実験、フィールドワーク、文献調査など)が分かり、自分のやりたいこととの適合性を確認できます。
2. 【実践】教授の論文をどうやって調べる?
まずは、ターゲットとなる教授が何を書いているか、効率的に調べる3つのステップです。
ステップ①: 大学の「教員紹介」ページ
まずはここから。所属教授の「研究テーマ」「キーワード」「最近の業績」がまとまっています。ここで気になる用語をいくつかメモしましょう。
ステップ②: CiNii Research(シニィ・リサーチ)を使い倒す
日本の論文を検索する際の最強ツールがCiNii Researchです。
- 検索のコツ: 「著者名」の欄に教授の名前を、「キーワード」に自分の関心事を入力します。
- 「本文あり」にチェック: PDFが公開されていて、今すぐ無料で読める論文に絞り込むことができます。
ステップ③: Google Scholar(グーグル・スカラー)
CiNiiで見つからない場合や、英語の論文も視野に入れたい場合に有効です。
教授の論文が他の研究者にどれくらい引用されているか(被引用数)も分かります。
3. 「難しそう」を突破する。高校生のための論文読解・4つのステップ
論文を最初から最後まで、一字一句理解しようとするのは、専門家でも大変な作業です。
高校生の皆さんは、「おいしいところ取り」の読解をマスターしましょう。
ステップ①: 「アブストラクト(要旨)」で全体像を掴む
論文の冒頭にある数百字の要約です。
「何を問い(目的)」「どんな方法で調べ」「何が分かったか(結論)」が凝縮されています。ここを読んで「自分の関心に近い」と思えば次に進みましょう。
ステップ②: 「はじめに(序論)」で背景を知る
ここには、その研究が必要とされた「社会的な背景」や「解決すべき問題」が、比較的平易な言葉で書かれています。
あなたの志望理由書に書くべき「社会問題」のヒントが、ここに山ほど埋まっています。
ステップ③: 「おわりに(結論・考察)」で未来を読み取る
研究の結果、何が分かったのか。そして、「まだ解決できていない課題は何か」が書かれています。
この「まだ解決できていないこと」こそが、あなたが大学で取り組むべき「研究テーマ」の種になります。
ステップ④: 「注釈・参考文献」を逆引きする
教授が引用している本や論文のリストです。
ここにある本を1冊読むだけで、あなたの知的なバックボーンは教授のそれに一歩近づきます。
4. 論文の内容を「志望理由書」に落とし込む技法
ただ「読みました」と書くだけでは不十分です。教授の知見を自分の物語にどう組み込むかが腕の見せ所です。
「敬意」と「提案」をセットにする
- NG: 「〇〇先生の論文を読み、勉強になりました。」 (教務評:ただの感想です。評価には繋がりません。)
- OK: 「〇〇先生の論文『……』において、△△という知見に感銘を受けた。一方で、私の地元でのボランティア経験に照らすと、□□という側面からの検証も必要ではないかと考えた。貴学では先生の指導のもと、この□□という視点を加えた研究に挑みたい。」
このように、「教授の知見 + 自分の経験 = 新しい問い」という形に落とし込むことで、「この受験生はうちのゼミに来るべきだ」と思わせることができます。
5. 面接で「論文について」聞かれた時の切り返し
もし面接で「私の論文を読んだそうだけど、どう思った?」と聞かれたら、合格への特急券を手にしたも同然です。
- 背伸びをしない: 分からなかった部分は「ここは難解でしたが、〇〇という理解でよろしいでしょうか?」と逆質問しても構いません。教授は「正解」よりも「理解しようとする姿勢」を見ています。
- 「問い」に注目する: 「結果」の細かな数字よりも、教授が「なぜその研究をしようと思ったのか」という研究の動機(問い)への共感を伝えると、教授は非常に喜びます。
6. 論文は「ラブレターの解読」である
教授にとって論文とは、何年もかけて育てた我が子のような存在です。それを高校生が一生懸命読み、自分なりの考えをぶつけてくる。これほど嬉しいことはありません。
「難しくて読みこなせない」と諦める必要はありません。分からない用語があれば調べ、それでも分からなければ「ここが分からない」とメモしておく。その過程すべてが、あなたの「学問への誠実さ」になります。
KOSSUN教育ラボからのメッセージ
教授を知ることは、大学の壁を越え、その先にある「知の世界」の住人と対話を始めることです。
あなたの志望校の教授は、どんな「問い」を世界に投げかけていますか? その問いに、あなたならどう答えますか?
論文という名の重い扉の向こうには、パンフレットには載っていない、刺激的で深い学びの海が広がっています。その海を泳ぐための準備を、今から始めましょう。
KOSSUN教育ラボでは、総合型選抜・学校推薦型選抜(AO入試・推薦入試)に特化した対策を行っています。
受験でお困りの方は、お気軽に無料個別相談会にお申し込みください。
※この記事は専門家による監修のもと執筆されています。

この記事を監修した人
川又 ヒトミ(かわまた・ひとみ)
群馬県出身。お茶の水女子大学卒業後、私立高校に入職。その間、進路指導部長を務め、大学入試改革や新学習指導要領、ギガスクール構想など高校の教育現場に押し寄せる変化にいち早く対応。
東京大学、慶應義塾大学SFCのダブル合格者を輩出するなど、最新情報を駆使した戦略的な指導に定評がある。塾生はもちろん、講師からも一目置かれ、「合格請負人」の異名を取るほどの人気講師となっている。

