
- 1. 迷いを断つ「書き出し」の作法。志望理由書・作成手順の基礎と「語尾」の正解
- 2. 1. 志望理由書を「完成」へ導く4つのステップ
- 2.1. ステップ①: 素材の棚卸し(ブレインストーミング)
- 2.2. ステップ②: 構成案(プロット)の作成
- 2.3. ステップ③: 一気に書き上げる(初稿)
- 2.4. ステップ④: 推敲(ブラッシュアップ)
- 3. 2. 徹底比較: 「です・ます」VS「だ・である」
- 3.1. ① 「だ・である(常体)」: 論理的で自信に満ちた印象
- 3.2. ② 「です・ます(敬体)」: 誠実で丁寧な印象
- 3.3. なぜ「だ・である」が推奨されるのか
- 4. 3. 絶対にやってはいけない「文体の混在」
- 5. 4. 語尾のリズムを整える応用テクニック
- 6. 5. 【要注意】書類によって文体を変えるべきか?
- 7. 6. 表記は「細部への神」
- 7.1. KOSSUN教育ラボからのメッセージ
迷いを断つ「書き出し」の作法。志望理由書・作成手順の基礎と「語尾」の正解
こんにちは!KOSSUN教育ラボ教務担当です。
5月も後半に差し掛かり、いよいよ志望理由書の清書を意識し始める時期ですね。しかし、いざパソコンの前に座ると「何から書き始めればいいのか……」「語尾は『です・ます』と『だ・である』、どちらが合格に近いのか?」といった、基礎的なルールで筆が止まってしまう受験生が非常に多いです。
文章の内容以前に、適切な「手順」と「形式」を守ることは、大学というアカデミックな世界に入るための最低限のパスポートです。
本日は、迷わず書き進めるためのステップと、意外と深い「語尾の使い分け」の極意を解説します。
1. 志望理由書を「完成」へ導く4つのステップ
いきなり原稿用紙を埋めようとするのは、設計図なしで家を建てるようなものです。まずは以下の手順を徹底しましょう。
ステップ①: 素材の棚卸し(ブレインストーミング)
文章にする前に、キーワードを書き出します。
「将来のビジョン」「大学で学びたい学問」「そのきっかけとなった原体験」「なぜこの大学なのか」。これらを箇条書きで出し尽くすことが、論理の矛盾を防ぐ鍵です。
ステップ②: 構成案(プロット)の作成
志望理由書には「黄金の型」があります。KOSSUN教育ラボ式「志望理由書の型」を使って構成案を作成してみましょう。
- 志の宣言: 私は将来〇〇を実現するため、貴学を志望する。
- 一貫性の提示:なぜその大学・学部を志望したのか、きっかけや動機を述べる。
- 志望動機:大学・学部の教育内容、研究内容、施設・設備など、具体的な魅力を挙げる。
- 〆のひと押し:改めて入学への熱意を表明する。
ステップ③: 一気に書き上げる(初稿)
ここでは「語尾」や「接続詞」を気にしすぎず、熱量を込めて最後まで書き切ります。
ステップ④: 推敲(ブラッシュアップ)
一晩置いてから読み直し、論理の飛躍がないか、そして今日の本題である「表記の揺れ」がないかをチェックします。
2. 徹底比較: 「です・ます」VS「だ・である」
志望理由書を書く際、最も多い質問が「文体をどちらにすべきか」というものです。結論から言えば、「どちらでも合格は可能だが、基本的には『だ・である(常体)』を推奨する」のが、教務担当としての見解です。
それぞれの特徴とメリットを見ていきましょう。
① 「だ・である(常体)」: 論理的で自信に満ちた印象
- メリット:
- 文字数を節約できる(限られた枠でより多くの情報を伝えられる)。
- 断定的な表現になるため、意志の強さや論理的思考力をアピールしやすい。
- 大学のレポートや論文の標準形式であるため、アカデミックな印象を与える。
- 向いている書類: 志望理由書、研究計画書、小論文。
② 「です・ます(敬体)」: 誠実で丁寧な印象
- メリット:
- 読み手に対して「お願いする」という謙虚な姿勢が伝わりやすい。
- 言葉が柔らかくなり、共感を得やすい。
- 向いている書類: 自己推薦書(人柄を重視する場合)、自由記述の一部。
なぜ「だ・である」が推奨されるのか
総合型選抜は、あなたが「未来の研究者」としてふさわしいかを見る試験です。大学教育で日常的に使われる「だ・である」を使いこなせていることは、学問の世界への適応力を示すことになります。また、文字数制限が厳しい中で、語尾を短く抑えられるメリットは想像以上に大きいです。
3. 絶対にやってはいけない「文体の混在」
「です・ます」か「だ・である」か。どちらを選んでも構いませんが、一つの書類の中で両者が混ざること(文体の不一致)は厳禁です。
NG例: 「私は貴学の教育理念に感銘を受けました(敬体)。だから私は貴学を志望する(常体)。」
文体が混ざると、読み手はリズムを崩され、あなたの論理的思考能力を疑い始めます。清書の際には、最後の一字まで統一されているか、必ず指差し確認をしてください。
4. 語尾のリズムを整える応用テクニック
文体を統一しても、同じ語尾が続くと文章が単調になります。
- 「〜だ。」の連続を避ける: 「〜と考える。」「〜といえる。」「〜を確信している。」など、動詞のバリエーションを増やしましょう。
- 体言止め(名詞で終わる)の活用: 強調したい箇所で「〜。その理由は、〇〇だ。」とする代わりに、「〜。理由は、〇〇。」とすることで、文章に強いリズムと余韻が生まれます(ただし、多用は厳禁です)。
5. 【要注意】書類によって文体を変えるべきか?
複数の書類(志望理由書、自由記述、活動報告書)を提出する場合、すべての書類で文体を揃えるのが最も無難です。
しかし、戦略的に使い分けるケースもあります。
- 志望理由書: 「だ・である」で論理的・知的に。
- 自由記述(写真や図を使うもの): 「です・ます」で、親しみやすく語りかけるように。
この使い分けをする場合は、「知的な自分」と「活動的な自分」という多面性をアピールする意図を明確にする必要があります。
6. 表記は「細部への神」
「語尾なんてどっちでもいいじゃないか」と思うかもしれません。しかし、こうした細かい形式にまで気を配れるかどうかを、教授は見ています。
誤字脱字がないか、「い抜き言葉(している→してる)」などの話し言葉が混ざっていないか。そうした細部を整える作業は、あなたが大学での学びをどれほど真剣に捉えているかという、「誠実さのバロメーター」なのです。
KOSSUN教育ラボからのメッセージ
文章作成の手順を守り、適切な語尾を選択することは、あなたの思考をより美しく、より強く、相手に届けるための「器」を作ることです。
GW明けの5月後半、焦る気持ちもあるでしょう。しかし、まずは落ち着いて「だ・である」のペンを取り、あなたの確固たる意志を綴ってください。
形式を整えることで、中身の論理も自然と研ぎ澄まされていきます。
正しい手順で、正しい形に。 あなたの情熱が、最も美しい姿で教授の元へ届くよう、応援しています!
KOSSUN教育ラボでは、総合型選抜・学校推薦型選抜(AO入試・推薦入試)に特化した対策を行っています。
受験でお困りの方は、お気軽に無料個別相談会にお申し込みください。
※この記事は専門家による監修のもと執筆されています。

この記事を監修した人
川又 ヒトミ(かわまた・ひとみ)
群馬県出身。お茶の水女子大学卒業後、私立高校に入職。その間、進路指導部長を務め、大学入試改革や新学習指導要領、ギガスクール構想など高校の教育現場に押し寄せる変化にいち早く対応。
東京大学、慶應義塾大学SFCのダブル合格者を輩出するなど、最新情報を駆使した戦略的な指導に定評がある。塾生はもちろん、講師からも一目置かれ、「合格請負人」の異名を取るほどの人気講師となっている。


